【行政文書】「骨太の方針2020」part2

さあ、早速「骨太の方針2020」の内容に入っていきます!

 

第1章 新型コロナウイルス感染症の下での危機克服と新しい未来に向けて] 

この章は5つの段落に分かれています。

 

今回取り扱うのは、

第1章 新型コロナウイルス感染症の下での危機克服と新しい未来に向けて

 1.新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた現下の経済財政状況

  (1)感染症の拡大を受けた現下の我が国経済の状況   の前半部分です。

要約と、私が難しいと思った箇所、おもしろいと思った箇所の深堀をしたいと思います。

【本文要約・解説】

コロナの影響は広範で長期にわたるために、感染症が収束したポストコロナの世界は、新たな世界、いわゆる「ニューノーマル」へと移行するとの見方が強い。世界的なデジタル化の動きや自国中心主義の高まりとあいまって、国際政治経済の構図は大きく変容し、自由貿易体制をはじめとする今後の世界秩序に大きな影響を与えかねない。
我々は、時代の大きな転換点に直面しており、この数年で思い切った変革が実行でき
るかどうかが、日本の未来を左右する。


(1)感染症の拡大を受けた現下の我が国経済の状況

新興国も含めた海外経済全体の減速の影響を受けやすい製造業のみならず、サービス業にも広く感染症拡大に伴う景気下押しの影響が広がり、結果として、国民生活に特に重要な雇用情勢も、弱い動きとなっており、感染症の影響を受けて休業者が大幅に急増し、企業が懸命に雇用を守っている状況にある。

 

休業者数:2020年4月652万人・5月501万人(2019年平均176万人)

              総務省労働力調査」に基づく内閣府の季節調整値より

 

政府として、緊急事態宣言が発出されていた本年4月・5月を底として、経済を内需主導で成長軌道に戻していくことができるよう、経済の下支えを行いながら、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図っていく。

 

【感想】

 冒頭部分から、政府がニューノーマルに移行した日本が、本気を出して今までの取組の遅れを取り戻して世界に追いつかなければ、日本の未来が危ぶまれると認識していることが感じられる。(それらの問題の詳細は次回以降取り扱う文章参照)

 また、上記の資料によると、コロナの影響が本格的に出てきた4月、5月は休業者の人数が2019年の平均休業者比で、3.7倍、2.8倍となっている。

 就業者の人数は、総務省労働力調査によると、2020年3月までは、87か月連続して増加しておりその後は、

  2020年3月  6700万人(前年同月比で+13万人)

  2020年4月  6628万人(  同   -80万人)

  2020年5月  6656万人(  同   -76万人)

     2020年6月  6670万人(  同   -77万人)

と推移している。

 

(用語解説)

就業者 : 「従業者」と「休業者」を合わせたもので「自営業主」、「家族従業者」、「雇用者」に分かれている。

      従業者 : 調査週間中に賃金,給料,諸手当,内職収入などの収入を伴う仕事(以下「仕事」という。)を1時間以上した者。
                    なお,家族従業者は,無給であっても仕事をしたとする。

      休業者 : 仕事を持ちながら,調査週間中に少しも仕事をしなかった者のうち,

  1. 雇用者で,給料・賃金の支払を受けている者又は受けることになっている者。
     なお,職場の就業規則などで定められている育児(介護)休業期間中の者も,職場から給料・賃金をもらうことになっている場合は休業者となる。雇用保険法(昭和49年法律第116号)に基づく育児休業基本給付金や介護休業給付金をもらうことになっている場合も休業者に含む。
  2. 自営業主で,自分の経営する事業を持ったままで,その仕事を休み始めてから30日にならない者。
     なお,家族従業者で調査週間中に少しも仕事をしなかった者は,休業者とはしないで,完全失業者又は非労働力人口のいずれかとした。

  自営業主:個人経営の事業を営んでいる者のことである。

  家族従業者:自営業主の家族で、その自営業主の営む事業に無給で従事している者のこと

  雇用者:会社、団体、官公庁又は自営業主や個人家庭に雇われて給料、賃金を得ている者、及び会社、団体の役員のことである。雇用者は、「常雇」、「臨時雇」、「日雇」に分かれる。

つまり、

・就業者(会社に属している者)が前年度比でおおよそ1%減っている

・今まで育児や介護で休業している者に加えて特別休暇やその他の事由によって休業している者が就業者の1割弱いる。

 

ということが分かる。

 

 休業者増加については、身近なところでも感じることができる。例えば三越伊勢丹運営の百貨店などは、4月7日に政府から発表された「緊急事態宣言」(解除は5月25日)を踏まえ、4月8日から5月29日まで臨時休業となった。(その後6月12日までは、11時~19時までの短縮営業、6月13日から通常営業)

 タクシー会社の中には、一度タクシー運転手を解雇して、失業手当で食いつないでもらうという対応を行った会社や、タクシー用の車をお弁当配達、薬局に行けない人への薬の配達などに利用してもらうことで需要を確保するとりくみをする会社も出てきた。

 外食産業はお客が減り、中にはテイクアウト分野に乗入れる会社も出てきた。私の住む町でも、今までは見なかったUberEatsの自転車を見るようになったり、少しずつコロナによる経済への影響を感じるようになった。

 

 次回は、政府がコロナ時代に問題だと認識している7項目について政府が課題や新たな動きと認識している7項目についてです。