【基本】国家予算 part2(世界比較編)

今回は

国家予算の全体像を他国との比較とも合わせてまとめていきたいと思います。

 

国家予算とは…

国家の予算=国の「1会計年度」の歳入(収入)と歳出(支出)

の見積もり計算 

 

です。他国の会計年度を見てみると、会計年度は国によって異なり

日本                    4月ー3月  

イギリス                  4月ー3月

アメリカ      10月―9月

ドイツ・フランス 1月―12月

となっています。

 

国家予算の世界ランキング(2017年度)は、

1.アメリ   歳入 371兆2,800億円 歳出 445兆8,720億円

2. 中国    歳入 285兆9,360億円 歳出 336兆8,960億円

3. 日本    歳入 191兆9,680億円 歳出 211兆1,200億円

4. ドイツ      歳入 186兆4,800億円 歳出 181兆3,280億円

5.フランス   歳入 155兆9,040億円 歳出 163兆4,080億円

6.イギリス   歳入 115兆1,360億円 歳出 120兆8,480億円

7.イタリア   歳入 101兆1,696億円 歳出 106兆1,872億円

8.ブラジル   歳入  82兆1,744億円     歳出     84兆7,056億円

9. カナダ      歳入   72兆7,552億円 歳出     74兆5,584億円

10.オーストラリア   歳入     54兆8,800億円    歳出      52兆6,288億円

 

となっています。国名が赤字になっているのは歳出が歳入を上回って赤字になっている国です。

 

この結果についての感想は、

・上位10位中8カ国が赤字という状態は想像外でした。

 日本だけ赤字で将来が心配と思っていましたが、どの国もやりくりが大変のようです。

・日本は国家予算が世界3位で思ったより上位でした。

 

法人税などもあるので単純ではありませんが、参考までに各国の歳入を人口で割って1人あたりの平均負担額を計算すると、

1.アメリカ            約112万円 (  3億3100万人)

2.中国              約  20万円 (14億3932万人)

3.日本              約152万円      (1億2647万人)

4.ドイツ             約222万円    (8378万人)

5.フランス            約239万円            (6527万人)

6.イギリス            約170万円         (6788万人)

7.イタリア            約167万円    (6046万人)

8.ブラジル            約  39万円    (2億1255万人)

9.カナダ             約193万円    (3774万人)

10.オーストラリア 約215万円    (2549万人) (2020年現在)

 

となりました。ここから気付いたことは、

新興国(中国、ブラジル)は1人当たりの負担はかなり低いことが分かりました。(ただし物価を考慮していないのでこの分析では正確に分からないかもしれません。)

アメリカは国家予算の世界ランキング1位ですが、1人当たりにすると負担は少なくなっています。

・フランスは上位10位中一番1人当たりの負担が大きいですが、赤字になっています。それだけ大きな政府ということでしょうか。ドイツはフランスと同程度の負担になっていますが、こちらは黒字になっています。その差は何でしょうか。

 

ということでした。今後勉強を続けることで、これらの謎解きができたらと思います。

こちらをご覧の方で何かお気付きの点がありましたらコメントしていただけると嬉しいです。

 

次回は日本の国家予算の歳出についてまとめたいと思います。

【基本】国家予算 part1(予算成立までのスケジュール)

今回からはしばらく国家の予算について調べてみようと思います。

 

今日は予算が成立するまでのスケジュールをまとめます。2020年は新型コロナウィルスの影響で後ろにずれ込みましたが、例年のスケジュールは

               (黒:各府省庁 緑:*(狭義的な)政府 茶:国会

 

6-7月       各府省庁において概算要求に向けた準備

          経済財政運営と改革の基本方針閣議決定

          予算の全体像(*経済財政諮問会議

7月下旬ー8月上旬  概算要求基準閣議了解

          (各府省庁の予算編成に先立って予算方針、上限額を明示)

8月下旬        概算要求

9月ー12月       予算編成の作業(財務省にて、予算案の査定 

           財務省と各府省庁でヒアリング・説明、調整)

12月中旬      予算編成の基本方針、税制改正大綱(閣議決定

          財務省原案の策定

          (財務省により取りまとめられ、各府省庁に内示)

12月下旬      政府案 閣議決定

翌年1月―3月    政府が国会に予算案を提出

          国会審議(衆議院参議院

          予算成立

翌年4月ー       予算の執行、政策の実施

 

となります。国家公務員としては12月に翌年の予算がほぼ形作られ、翌年の大まかな人員が決定するので注目すべき月であると思います。(今年の新人は何人来るのだろうか、あのプロジェクトにxx予算が付いたなど話題になるのでしょうか。)

 

(用語解説)

経済財政諮問会議

経済済運営や財政運営の基本方針、さらには予算編成の方針を決めることを任務として、平成13(2001)年の省庁再編とともに、内閣府に新設された諮問会議

 

*政府

広義には立法,司法,行政など一国の統治機構全体

狭義には内閣およびそれに付属する行政機関のみ

 

次回は、国家予算の世界比較をしてみたいと思います。

【行政文書】「骨太の方針2020」part4

前回までは国内の現状を見てきましたが、今回は

第1章 新型コロナウイルス感染症の下での危機克服と新しい未来に向けて

 1.新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた現下の経済財政状況

  (2)コロナの時代の国際政治・経済・社会情勢 ― 国際秩序の揺らぎ 

として、グローバルな動きを見ていきます。

今般のグローバル危機は、以下の3つの大きな特徴を有するそうです。

 

①世界経済における世界恐慌以来の後退

 各国とも大規模な財政出動により国民の雇用・事業・生活を支援

 

日本は…、

6月12日に成立した2020年度第2次補正予算によると、

    予算規模は過去最大の31.9兆円、予備費10兆円 

コロナ対応の経済対策の事業規模が234兆円と国内総生産(GDP)の4割に達する中、国債の追加発行により財政状況は悪化する。

【深堀ポイント👍】

補正予算とは:本予算(=一般会計予算+特別会計予算+政府関係機関予算)の内容を変更する必要がある場合に組まれる予算で年に何回でも組めます。

・2020年度第1次補正予算は4月末に成立しその後1か月半弱で第2次補正予算が組まれました。

・新型コロナの第2波、第3波が襲来し、事態が大幅に深刻化した場合には、予備費10兆円から、雇用調整助成金に1兆円、事業者向け給付金に2兆円、医療体制の強化に2兆円を振り向けるなど、少なくとも5兆円程度の予算が必要とし、残りの5兆円は不測の事態に対応できるよう確保しました。

麻生太郎財務相は新型コロナによる景気低迷と財政出動によりPBは大幅に悪化するが、25年度のPB黒字化目標を「直ちに見直す必要があると考えていない」と述べた。

・S&Pグローバル・レーティングは9日、日本の財政安定化は後退したとし、日本国債の格付け見通しを「ポジティブ」から「安定的」に引き下げた。今後2-3年で経済が回復するのに伴い、再び安定化の軌道に乗ると見込み、長期債「A+」と短期債「A1」の格付けは据え置いた。

 

自由貿易体制の維持への懸念

 米中関係の更なる悪化や、自国中心主義・経済ナショナリズムの広がり

 

③グローバルレベルでの協調の形骸化や国際的分断の進行

 世界におけるリーダーシップの在り方が問われている。

 

次回からは少し骨太の方針2020はお休みして、今回深堀した国家の予算についてです。

【行政文書】「骨太の方針2020」part3

最近NewsPicksの動画番組をよく見るようになりました。

各分野で活躍されているゲストがいろいろなテーマで討論をします。この動画は2点面白い点があります。

①各分野のトップランナーがどのような方(思考、人柄、生き様)なのかが分かる。

②討論の仕方が分かる。

 

内容が面白いのもあるのですが、とても勉強になり、ついつい多くの時間を費やしてしまいます。そのNewsPicksに何回か出演されたサントリーホールディングス(株)代表取締役社長の新 浪 剛 史 さんは第2次安倍内閣改造内閣が始まった2015年10月7日から今日までの約5年間も経済財政諮問会議の議員(民間有識者)をされています。新浪さんがどのように政府に働きかけ、その結果日本がどのように変化していくのかをNewsPicksのような番組や、「骨太の方針」などから理解するのはとても興味深いです。今後経済財政諮問会議の他の議員さんなども調べて記載できたらと思います。

 

さて、それでは今回の本題に移ります!今回は

第1章 新型コロナウイルス感染症の下での危機克服と新しい未来に向けて

 1.新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた現下の経済財政状況

  (1)感染症の拡大を受けた現下の我が国経済の状況   の後半部分です。

要約と、私が難しいと思った箇所、おもしろいと思った箇所の深掘りをしたいと思います。

【本文要約・解説】

政府が課題、新たな動きと認識している7項目とは…

① 行政分野でのデジタル化・オンライン化の遅れ(受給申請手続・支給作業の一部で遅れや混乱の発生など)

 

②大都市への一極化のよるリスク(日常活動・国の中枢機能)

 

③テレワークや遠隔診療・遠隔教育などリモートサービスの活用・定着の進展

 それに伴う、働き方を変えたり地方移住を前向きに考えるという気運の増大

 

詳細は2020年6月21日に内閣府から公開された新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」をご覧ください。全国1万人強の15歳以上を年齢・性別を均等に配分し、調査したものです。調査期間は全ての都道府県で緊急事態宣⾔を解除した5月25日から6月5日です。


新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」

https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/shiryo2.pdf

 

上記の調査で「新しい分野、技術、語学等の教育・学習」と「ビジネス関係の勉強」をした割合を足すと

 10歳代 40.9% 20歳代 40.5% 30歳代 23.4% 40歳代 17.8%

また、特に挑戦、取り組みはしていない数値は

 10歳代 19.7% 20歳代 24.9% 30歳代 33.6% 40歳代 39.7%

 

となっていて40歳代の私としては10歳 20歳代に負けないようもっと自己鍛錬をしなけければと感じました。

 

 また、テレワーク経験者(全国平均34.6%)はWLB、地方移住、仕事に関する意識が変化した割合が多くなったとの結果も出ていて、興味深いです。

 

④新技術を活用できるデジタル専門人材等の不足

 それに伴う、多くの分野で国際競争力の減退

 

⑤弱い立場の方々(非正規雇用者やフリーランス、中小・小規模事業者)へのしわ寄せ

 それに伴う、格差の拡大による社会の分断の危険

 

⑥デジタル化や自動化、AI活用等の広範なデジタルトランスフォーメーション(以
 下「DX」という。)の加速に伴う、データ流通やデジタル経済の国際的な寡占化

 国際標準や自由で公正な新たなルールづくりなどが早急に必要である中で、我が国が積極的に主導する必要性の増大

 (DXは第3章 「新たな日常」の実現 でも詳しく取り上げられます。)

 

サプライチェーン(製品の原材料が生産されてから消費者に届くまでの一連の工程)の脆弱さ

 

その他にも、

第四次産業革命の到来 

ロボット工学人工知能 (AI) 、ブロックチェーンナノテクノロジーバイオテクノロジー量子コンピュータ生物工学モノのインターネット (IoT) 、3Dプリンター自動運転車仮想現実拡張現実複合現実など

 

 第1次:18世紀~19世紀 蒸気機関車の発展と産業革命

 第2次:1870年~1914年(第1次世界大戦直前)電話機、電球 蓄音機 内燃機関

 第3次:1980年代~現代 デジタル革命 PC インターネット、 情報通信技術(ICT)

 

・エネルギー・環境制約の高まり
・大規模自然災害の頻発

・今年度の新規国債発行額が戦後最大の90 兆円以上 など
社会保障と財政の持続可能性に係る構造的な問題がある。

 

次回は今般のグローバル危機の3つの特徴についてです。

 

 

【行政文書】「骨太の方針2020」part2

さあ、早速「骨太の方針2020」の内容に入っていきます!

 

第1章 新型コロナウイルス感染症の下での危機克服と新しい未来に向けて] 

この章は5つの段落に分かれています。

 

今回取り扱うのは、

第1章 新型コロナウイルス感染症の下での危機克服と新しい未来に向けて

 1.新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた現下の経済財政状況

  (1)感染症の拡大を受けた現下の我が国経済の状況   の前半部分です。

要約と、私が難しいと思った箇所、おもしろいと思った箇所の深堀をしたいと思います。

【本文要約・解説】

コロナの影響は広範で長期にわたるために、感染症が収束したポストコロナの世界は、新たな世界、いわゆる「ニューノーマル」へと移行するとの見方が強い。世界的なデジタル化の動きや自国中心主義の高まりとあいまって、国際政治経済の構図は大きく変容し、自由貿易体制をはじめとする今後の世界秩序に大きな影響を与えかねない。
我々は、時代の大きな転換点に直面しており、この数年で思い切った変革が実行でき
るかどうかが、日本の未来を左右する。


(1)感染症の拡大を受けた現下の我が国経済の状況

新興国も含めた海外経済全体の減速の影響を受けやすい製造業のみならず、サービス業にも広く感染症拡大に伴う景気下押しの影響が広がり、結果として、国民生活に特に重要な雇用情勢も、弱い動きとなっており、感染症の影響を受けて休業者が大幅に急増し、企業が懸命に雇用を守っている状況にある。

 

休業者数:2020年4月652万人・5月501万人(2019年平均176万人)

              総務省労働力調査」に基づく内閣府の季節調整値より

 

政府として、緊急事態宣言が発出されていた本年4月・5月を底として、経済を内需主導で成長軌道に戻していくことができるよう、経済の下支えを行いながら、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図っていく。

 

【感想】

 冒頭部分から、政府がニューノーマルに移行した日本が、本気を出して今までの取組の遅れを取り戻して世界に追いつかなければ、日本の未来が危ぶまれると認識していることが感じられる。(それらの問題の詳細は次回以降取り扱う文章参照)

 また、上記の資料によると、コロナの影響が本格的に出てきた4月、5月は休業者の人数が2019年の平均休業者比で、3.7倍、2.8倍となっている。

 就業者の人数は、総務省労働力調査によると、2020年3月までは、87か月連続して増加しておりその後は、

  2020年3月  6700万人(前年同月比で+13万人)

  2020年4月  6628万人(  同   -80万人)

  2020年5月  6656万人(  同   -76万人)

     2020年6月  6670万人(  同   -77万人)

と推移している。

 

(用語解説)

就業者 : 「従業者」と「休業者」を合わせたもので「自営業主」、「家族従業者」、「雇用者」に分かれている。

      従業者 : 調査週間中に賃金,給料,諸手当,内職収入などの収入を伴う仕事(以下「仕事」という。)を1時間以上した者。
                    なお,家族従業者は,無給であっても仕事をしたとする。

      休業者 : 仕事を持ちながら,調査週間中に少しも仕事をしなかった者のうち,

  1. 雇用者で,給料・賃金の支払を受けている者又は受けることになっている者。
     なお,職場の就業規則などで定められている育児(介護)休業期間中の者も,職場から給料・賃金をもらうことになっている場合は休業者となる。雇用保険法(昭和49年法律第116号)に基づく育児休業基本給付金や介護休業給付金をもらうことになっている場合も休業者に含む。
  2. 自営業主で,自分の経営する事業を持ったままで,その仕事を休み始めてから30日にならない者。
     なお,家族従業者で調査週間中に少しも仕事をしなかった者は,休業者とはしないで,完全失業者又は非労働力人口のいずれかとした。

  自営業主:個人経営の事業を営んでいる者のことである。

  家族従業者:自営業主の家族で、その自営業主の営む事業に無給で従事している者のこと

  雇用者:会社、団体、官公庁又は自営業主や個人家庭に雇われて給料、賃金を得ている者、及び会社、団体の役員のことである。雇用者は、「常雇」、「臨時雇」、「日雇」に分かれる。

つまり、

・就業者(会社に属している者)が前年度比でおおよそ1%減っている

・今まで育児や介護で休業している者に加えて特別休暇やその他の事由によって休業している者が就業者の1割弱いる。

 

ということが分かる。

 

 休業者増加については、身近なところでも感じることができる。例えば三越伊勢丹運営の百貨店などは、4月7日に政府から発表された「緊急事態宣言」(解除は5月25日)を踏まえ、4月8日から5月29日まで臨時休業となった。(その後6月12日までは、11時~19時までの短縮営業、6月13日から通常営業)

 タクシー会社の中には、一度タクシー運転手を解雇して、失業手当で食いつないでもらうという対応を行った会社や、タクシー用の車をお弁当配達、薬局に行けない人への薬の配達などに利用してもらうことで需要を確保するとりくみをする会社も出てきた。

 外食産業はお客が減り、中にはテイクアウト分野に乗入れる会社も出てきた。私の住む町でも、今までは見なかったUberEatsの自転車を見るようになったり、少しずつコロナによる経済への影響を感じるようになった。

 

 次回は、政府がコロナ時代に問題だと認識している7項目について政府が課題や新たな動きと認識している7項目についてです。

【行政文書】「骨太の方針2020」part1

 今回からは、2020年7月17日に内閣府経済財政諮問会議から答申された「経済財政運営と改革の基本方針 2020」(骨太の方針2020)の内容を紐解いていきます。副題として「危機の克服、そして新しい未来へ」となっています。まさに新型コロナウィルス影響下で作られた方針ですね。希望的な副題となっていますが、どのような内容なのでしょうか。ちなみに骨太の方針2019は81ページでしたが、今年は41ページになっています。内容が約半分になっていますね。どうして半減したのかも内容を紐解きながら解明できたらと思います。本文、概要は以下のリンクを参照してください。

 

概要

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2020/0717/shiryo_02-2.pdf

 

本文

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2020/0717/shiryo_02-1.pdf

 

3部構成になっていて、

 

第1章  新型コロナウイルス感染症の下での危機克服と新しい未来に向けて

第2章  国民の生命・生活・雇用・事業を守り抜く

第3章  「新たな日常」の実現

 

それぞれ、7ページ、7ページ、27ページのボリュームです。今後、行政がコロナとともにどのような動きをするのかと、他章の4倍ほとある第3章の内容に興味が湧きます。

 

それでは、次回よりお付き合いください♪

【人物紹介①】飯島勲

飯島勲*1

1945年長野県生まれ 東京電機大学短期大学卒業

 27歳で小泉純一郎の秘書となる。小泉内閣の誕生にともない内閣総理大臣秘書官(政務担当)に就任。メディア戦略や情報操作に長けており、日本のメディアからは「官邸のラスプーチン」と評され、歴代の総理秘書官と比較してメディア露出が多い。

 総理大臣秘書官として首相官邸各省庁連絡室を置き、事務担当の首相秘書官の出身省庁である財務省・外務省・警察庁経済産業省以外の省庁からもキャリア官僚を1人ずつ参事官として常駐させた上で、事務担当の首相秘書官と参事官を束ねた。また全省庁による指定ポスト化となるのを避けるために特定省庁の常駐を避け政治事情に応じてキャリア官僚の出身省庁枠を変えることを示唆したため、中央省庁間の緊張関係を維持させたことで、個々の省庁の情報が官邸に入りやすくするようにして首相官邸の政治的影響力を増大させることに成功する(小泉政権前半は農林水産省キャリアが除外されており、小泉政権後半は農林水産省キャリアを入れる代わりに文部科学キャリアが除外された)。各省庁連絡室などの首相官邸の事務組織は俗に飯島機関と呼ばれた。